映画のシーンは借用できませんからお話に合うようなイメージのカットを
所有する古書や古雑誌からセレクトしました。苦肉の策でございます。
そんな部分も楽しんでいただけたら嬉しいです。

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ミリアムのファッションはホットパンツやミニスカートで超70年代。
映画「SONNENALLEE/太陽通り」

「グッバイレーニン!」がとてもいい作品であることに変わりはないけれど、やっぱりしんみりとしてしまう。カラっとした味わいを求めている方は「SONNENALLEE」と相性がよさそうです。

舞台設定は1973年の東ベルリンなので、同じ時代を共有する隙を「グッバイレーニン!」ほど与えていません。が、こつこつとおこづかいを貯めて買ったレコードの感激や、食費を削りバイト代を注ぎ込んで音楽に熱中した過去を持つ者であれば、壁で囲われ距離的にも意識的にも遠かった国でのお話「SONNENALLEE」が、とても身近な出来事として親近感を感じられずにはいられないでしょう。

オープニングは西ベルリンから密輸されたTOP OF THE POPの切り抜きザフービートルズを壁に貼り、新しい曲を慎重にテープにダビングしている主人公ミヒャの様子。誰がなんと言おうと軍に入隊したくないマーリオ、ストーンズのレコードを入手するために四苦八苦のボッシェル、手作りドラッグの効果で大好きなミリアムに近づくチャンスをのがすミヒャ。音楽に国境なし、青春デンデケデケデケに壁なし。

人生がバラ色っていう表現はドイツ語にあるのでしょうか、作者Thomas Brussig/トーマスブルスィヒはこの作品でもヒロインをとても個性的に描いています。「Helden wie Wir」のクラウスにとってはイヴォンヌが、ミヒャにとってはミリアムがあこがれであり、女神なのです。彼女たちに導かれるようにしてミヒャやクラウスの世界観は広がっているよう。



「グッバイレーニン!」がベルリンの街で実際に撮影したのに対して「SONNENALLEE」は全てをセットで表現したことで当時の雰囲気を保っています。撮影のセットや小物もばっちりで、担当したスタッフは「グッバイレーニン!」にも参加しています。

この時代世界的にはヒッピー、フラワーパワームーブメントの70年代。73年の東ベルリンは夏に第10回国際青少年フェスティバルを開催。ドレスデンの若者がミヒャの家に泊まりに来るのはこれに参加する為です。このイベント、自国宣伝に一役買った政府オーガナイズの「東ドイツのウッドストック」とも言われています。




学校を退学になったマーリオが彼女とバイクに乗るシーンは、味わいある替え歌に耳を傾けたい。
また映画「パウル&パウラ」がヒットした年でもあり、ミヒャとパウルの遭遇を見逃す手はありません。翌74年にはニナハーゲンのデビュー曲がヒット。エンディングは彼女のキュートで表情豊かな歌声で終わります。パンク以前のニナという新鮮な発見あり、主人公ミヒャの名前はこの歌の詞から取ったのかな?なんて想像も膨らみます。

とにかく監督Leander Haussmann/レアンダーハウスマン氏の映画作品の音楽センスはなかなかのもの。2003年秋公開された「HERR LEHMANN」のオープニングもすばらしく、東ならぬ西ベルリンの壁崩壊ちょっと前を映像化し歓喜に沸く壁崩壊の裏で、孤島と言われていたクロイツベルク地区の哀愁や長かった夢がさめていく様をみごとに描いています。そしてこの作品もまたノスタルジックに浸り過ぎない出来ばえで、前作「SONNENALLEE」とリンクする場面も用意されている遊び心と粋な演出。「グッバイレーニン!」大ヒットなんてどこ吹く風、独自の視線とちょっと先を行ってるハウスマン氏が次回どんなテーマを扱うのか既に待ち遠しい。2004.1.17

SONNENALLEE 1999年10月ドイツ公開(87分)


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