隣国フランスの洒落っ気とチェコやポーランドなど東欧の素朴さの間に挟まれた、ドイツの日常文化をお伝えします
 

CDデッキが壊れてからラジオの世話になっている、という話題に以前触れたかと思います。

そしてとうとう先月、携帯用のラジオを買いました。ipodだMP3だって言ってるこのご時世にです。ラジオ付きのMP3でもよかったのだけれど、チューニングはやっぱりアナログがいいってことで。以前、買ったコンポがデジタルチューニングで、聴きたいチャンネルをうまくキャッチしてくれなかった。それ以来、ラジオはアナログチューニングに限る、ということになっています。私の中で。

買ったラジオは、イヤホンをつければ電車内やカフェでも楽しめるもの。かばんの中に忍ばせておけば、ウォークマンでも聴いているのかな?って思われる。アンテナを延ばすとすぐにバレてしまうけれど(笑)。なんだかナイター好きのおっちゃんみたいな話題ですね。

東京ではいつも肌身離さず音楽を聴いていたけれど、こちらでは音楽を聴きながら街を歩くということをしなくなりました。音楽に気持ちが行ってしまって街の様子を見逃すような気がして。だから買った携帯用のラジオもしょっちゅう使っているというわけではないのです。

でも、今日は使いました。続くリサーチ作業、地図と目印となる写真を片手に実地探し。無事写真も撮って、近くの芝生で休憩した時です。ほとんど人がいなかったのでイヤホンを外して小さめの音でラジオのスイッチを入れてみました。チャンネルはクラシックラジオ。誰の曲かわからないけれど、思考の邪魔にならないこの距離感が心地いい。お気に入りの曲が流れたらそれはそれでうれしいし、気に入らなかったり雑音が激しい時は消せばいい。

ベルリンを離れれば、その土地土地の周波数をひろうだろうし、ラジオにかなり期待をしている私なのでした。


現在発売になっていますNHKドイツ語会話のテキスト9月号に、ドイツの玩具メーカー「ケルナー・シュテックフィギュアレン」についての文章を寄せています。

現地に1泊しての工房見学だったのですが、もうこの日のことは一生忘れないだろうっていうくらい素敵な思い出がいっぱい。中でも社長のハンスさんとのチューリンゲンの森の散策は最高の思い出です。1つはインゼルベルクと呼ばれる標高916メートルの崖の上。軽く散策の誘いをオーケーした私は、途中から山登り的な道のりに息が切れっぱなし(情けないっ)。もう1つは、湖と一面に広がる麦畑。畑のなかに腕を突っ込んで、歩きながらさらさらと麦の感触を味わっていく。これ、一度でいいからやってみたかったのでした! 気持ちよかったぁ〜。


本日、8月13日はベルリンの壁が突然出現した日。今から45年前です。

そんなつもり全然なかったのに、やっぱり観ちまいました…、(ベルリンの)壁にまつわるテレビ特集。延々と5時間くらい? いくつかの番組を放映していたんだけど、その中の1つが、びっくりするようなこぼれ話(←私的には)をひろってきてました。すごいお手柄だと思う。リサーチ、探偵気分で相当ワクワクしたに違いない。

この8月13日、どうしてか寸前になるといつも忘れてしまいます。日本で育った私はやはり8月15日に意識が行ってしまいます。ドイツの終戦は5月です。ちょうど今、(ベルリンの)終戦から復興までの経緯についての資料を読んでいるところです。頭でっかちにならないように、終戦直後の写真を頼りに実地散策もしたりして。

ベルリンの古い写真は、目印となる教会なんかが今も存在してたりするので、地元の人間でなくても比較的わかりやすいんです。ところが、終戦直後と現在の風景の違いに改めて驚きました。61年も経過しているのだから、当たり前なのかもしれないけど。


以前働いていた編集部のM先輩が、アートディレクションを担当したという料理本がを送ってくれました。小林まさみさん著「失敗した人ほど上手になれる料理の本」。すごく励まされるのはなぜだろう(笑)。M先輩は以前にもウーウェンさんの本などを担当したりと、レシピ本という意味で、本当に美味しい仕事が多くてうらやましい。

基本的に本格的に料理をする質ではないので手持ちの料理本も少ないのですが、中でも思い入れの深い料理本というのがあります。Alice Waters著『Chez Panisse VEGETABLES』という洋書。Patricia Burtanの(多分)シルクスクリーンによる野菜各種のイラストがとても素敵で、どうしてもほしいと思いました。大手書店で尋ねても取り扱っていないとのこと。ならば洋書輸入の老舗でお願いしてみようと青山のお店を訪れました。

すると「ISBNがわからなんですか? それでは取り寄せられませんね」とあっさり。その対応も冷たく泣きたくなりました。著者とタイトルはわかっているのです。ISBNを調べる術は私よりも多く持っているはずなのに…。今から10年程前の話ですから、インターネットという手段もありません。

編集部に向かう途中、仕事の資料探しで銀座の洋書イエナに寄った時のこと。ダメもとでお願いしてみようと、例の料理本を取り寄せられるか尋ねてみました。するとやはりISBNがわからないとたしかに取り寄せは難しいとのこと。けれど、著者名とタイトルがわかっているのだから試してみましょう言ってくれました。そして、数日後に「無事、届きましたよ」との連絡が留守番電話に入っていた時は本当にうれしかった!

今はもうなくなってしまった洋書イエナ。その閉店を、私は母が送ってくれた新聞の切り抜き、佐藤雅彦さんのコラムで知りました。あれから破竹の勢いでインターネットが普及して、今ならワンクリックでお取り寄せができる洋書。けれどとても欲しかった本を洋書イエナで買うことができて本当によかったと思いました。大切にしたい1冊です。


既に7月中旬に発売になっていますNHKテレビドイツ語テキスト。今回は「クラインガルテン」について取り上げています。「クラインガルテン」は、都会に暮らす人々が野菜や草花を育てたり、自然に囲まれて週末や余暇を過ごす憩いの場。知人ジィビラさんのクラインガルテンについて書きました。

取材と撮影をしたのは4月末。今でこそ暑々のベルリンですが、当日はまだまだ肌寒く、にもかかわらず快くクラインガルテンの門を開けてくれたジィビラさん。彼女のパートナーであるフランクさんは、簡単なホイル焼きで私をもてなしてくれました。慣れない手つきで私もお手伝い。そのレシピは連載の文章には出てこないのだけれども、とっても簡単でとっても美味しかった!

取材のお礼と日本からのお土産を渡すために、今年の夏もう一度会う予定。お土産の1つは「和からし」。ホイル焼きと一緒にソーセージも焼いてくれた時に、からしの話題になったので。

つぼみだったシャクナゲはきっともう散ってしまっているはず。けれども、植えたばかりと言っていたリンゴの苗木や蜂たちのSiedlungをまた観に行くのが今から楽しみです。


これから日が短くなる一方なのかと思うと、既に寂しい。まだ全然夏を謳歌していないっていうのに!

今読んでいる阿部謹也氏の本、ちょっと難しいけどがんばって読んでしまいたい。順序立ててわかりやすく説明してくれるのだけど、読み手の知識がドイツの歴史は遡れて1900年前後という有様なので、どうにかそれ以前の、中世への壁を打破したいのです。がんばれ〜私(涙)。

先日は行きつけのウィーン料理屋にて1人で酔っぱらって帰ってきました(珍しい)。お勘定してもなお明るい夜空に、まるで一番乗りの銭湯の、その帰りのような気持ちよさを見つけました。夕方4時くらいに入って5時頃出てくるの。いつもより早めの入浴は贅沢な感じがしたものです。


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A Pinch of Berlin
2006.10.10
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【出版物の紹介】

Book

切手で旅するヨーロッパ
山田庸子 著
Collection : BUSY TOWN
ピエブックス 刊
1,600円+税


Book

ドイチュラント
ドイツあれこれおしながき
山田庸子 著
ピエブックス 刊
1,900円+税


Book

展示図録
ヴェルナークレムケの世界
山田庸子 企画・編集
1.260円(税込み)

京都・恵文社一乗寺店
東京・ユトレヒト
等にて発売中


【プロフィール】

山田庸子 Yoko YAMADA

東京生まれ。フリーランスのグラフィックデザイナーを経て、 1999年末から拠点をベルリンへ移す。現在は執筆業を中心に、 旧東ドイツの庶民文化を紹介する活動なども行っている。


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